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2010/11/24 (Wed) 父の思い出と、これから暮らす街

 子は何を思い、その人生を進めていくのでしょうね。

 絵を描く人だった私の父は、特に山と水を愛していたように思います。
水彩や岩絵の具で、さまざまな光に照らされた遠くの山や、場所によってその反射を変える川の水を好んでよく描いていました。

 薄く薄く、色を変えながら何層にも重ねられたその透き通るような景色。

 一度塗ってしまうと、上から重ねて消すことのできない透明水彩。
ひと筆ひと筆にごまかしが効かないその手法を、だからこそ面白いと言っていた父。
全く父らしいなと思います。

 夏は毎年信州に来ていました。
山を歩きながらふと立ち止まってはスケッチを始める父のそばで、おもむろにおやつを食べ始める家族一同。
スケッチは長くて10分から30分程度。
そしてまた歩きだし…。そんな旅をしていました。
私たちにも一緒にスケッチすることをよく勧めてくれたけれど、学校の図画で習うのとあまりに違うその手法に、どう描いたらいいのか分からず、あまりうまくいかなかった。

 でも父は、どんなめちゃくちゃな絵でも大げさに感心してくれて、いつもリビングの壁に高々と飾ってくれていました。

 頭がよくて、穏やかで優しい人。
大好きだった父は、私が17の時にあっけなく逝ってしまいました。

 エンジニアだった父は、いつも遅くに帰ってきて、少しのお酒と遅い夕食を取った後は、自室で大きな方眼紙を広げては、何やら細かな数字をいっぱい書きこんで仕事の続きをしていました。
 朝は誰よりも早くに起きて、体操、ジョギング、そして近くに借りている畑の野菜や、お部屋でたくさん育てている不思議なスプラウトを収穫して、何やら難しげな本で研究した玄米スープや無水料理を作ってから家族を起こし。
 こだわりのコーヒーは子供過ぎて飲んだことはなかったけれど、明治屋で買い込んできたスパイスや豆を使って作るカレーはとってもおいしかった。
 仕事でドイツに行くことが多かった父は、ドイツをとっても愛していて、わざわざ遠くのおいしいドイツパンのお店でいつもパンを買って帰ってくれたし、ハーゲンダッツが初めて日本に来た時は、これはドイツで本当においしいアイスなんだと珍しく興奮していたり。
何だか分からないけど、ドイツ人のお客さんとみんなで旅行に行ったりした記憶もあるなあ。大きくて知らない言葉を話すドイツ人は、とにかく怖かった。
 家に帰ってスーツを脱いだら着物に着替えていた父を、昔の人だからなんて思っていたけれど、世のお父さんは決してそうではないと知り、こだわりの人だったのだなあと思いを新たにしたり。

 記憶はいつも特別に輝いていて、いつまでたっても色あせるどころかとっても温かく大切なものになっています。

 母はそんな父のことを、「ゲンちゃん、ゲンちゃん」(インテリゲンツィアをもじった「インテリゲンちゃん」という、当時あった角川書店のコピーを母が気に入って使っていたのです。)と呼んで、いつもとってもうれしそうだった。

 そして今でも「あんないい人と結婚できて、本当に幸せだった」と事あるごとに言います。

 私は愛の中で、愛されて育った。
本当に幸せなことだと思います。

 
 信州に暮らすことになったのは全く偶然のことだけれど、父の愛していたこの地にいたいと心のどこかで思っていたのかもしれません。
 
 私はきっと無意識に父の後を追おうとしているのかな。
生きていたらきっともっとしたかったであろう、絵を描くことや、田舎に暮らすこと、畑や料理やそんなことを。
 
 いや、違うな。きっと私の価値基準が父の価値基準にならっているのでしょう。
父がこの硬くて酸っぱいパンが本当のパンだというのなら、これが本当のパンなのだという具合に…。

 そして、きっと父の憧れが集約していると思われる、この穂高養生園で3年を過ごし、今ここを出ようとしています。
 これから先は、私自身の価値基準で進路をとっていくのでしょう。
 


 12月から、私は拠点を茅野に移すことにとりあえずなりました。

 先日訪れた茅野の街。

 ふと気配を感じて顔を上げると、雪が降ってきました。
     101118_1534~01
     

頭の上には雪雲。そして遠くの空は青く晴れ渡り、さらに遠くの八ヶ岳は、雲の切れ間から光が差し込んで本当に神々しかった。

     101118_1322~01


 茅野で好きなところ。

 ハーブガーデンのある古民家のイタリアン「梅蔵」
     101118_1324~01

ガーデンはもう枯れ景色だったけれど、つる梅もどきがとてもかわいかった。
     101118_1442~01

ビオラが咲いています。寒い季節が来たのだなぁ。
     101118_1441~01


 そして、バラクライングリッシュガーデン。
寒くってだれもいない館内で、豆乳オレを飲みます。
クリスマスの飾り。
     101118_1553~01

クリスマスっていいなってぼんやり思ったりして。

 茅野の街。
どうぞよろしくね。

 お父さん、守っていてね。

 
 
 

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ようこそ 

奥さんの奥さんから聞きました。
素敵な人が茅野に来てくれるって。
奄美の離島でも会ってまた一緒になるなんておもしろいですね。

こちらでもまたお父さんの植えた種が一つづつ芽を出してくるのが楽しみですね。
夫婦ともどもこれからよろしくお願いします。

2010/11/27 12:44 | おっくん [ 編集 ]


おっくん夫妻さま 

 ありがとうございます

 何だか後を追っているみたいで恐縮デス。

 この前お会いした時は、まさかここで働くことまでは考えていなかったのだけれど、とってもとっても感動が残っていて、茅野にとなったとき、じゃあ諏訪中央病院で!とひらめいたのです。

 私の能力と仕事ぶりは、まあ知っての通りだと思いますが、寛大な心でなにとぞよろしくお願いします。
(先生がいるのが、ほんとにほんとに心強いです。)

 そして、奥さんの奥さんともいっぱい遊びたいとたくらんでおります。

 では12月に~。

2010/11/27 23:22 | アンネリダ [ 編集 ]


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