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2011/10/05 (Wed) 異界との扉

 梨木香歩さんの「家守綺譚」という小説があります。

     429903.jpg


 あることは知っていたのです。

 一時期立て続けに彼女の「西の魔女が死んだ」「ぐるりのこと」そして「からくりからくさ」を読みました。

 児童向けの「西の魔女が死んだ」を最初に読んでフムフムと思っていたのですが、そのままのなんとなぁくな気持ちのままで「からくりからくさ」を読み、油断していただけにすっかり参ってしまいました。

「からくりからくさ」。日常でありながら緻密で壮大で。人の小さな痛みや想いも、目に見えない世界も、全てが入り混じって織りあげられていく、たっぷりとした読みごたえのある世界。

 それにすっかり参ってしまい、まだ読んでいないそれ以外の作品はきっと「からくりからくさ」の習作のようなものでは、なんて勝手に判断をして、梨木香歩ブームを終わらせていたのです。
 というか、「からくりからくさ」で受けた衝撃を他の作品で減らしたくなかったのかも。




 先日、棘を使って読書会というものが開かれました。

 課題の本をあらかじめ読んできて、みんなでそれについて語り合うというものらしい。

 その課題の本が「家守綺譚」とのことでした。「この場所だから絶対これって決めてたのです」と主催者。
久しぶりに現れた梨木さんの本。
贈呈してくださったこの小説を、フラフラと読み始めました。

 庭木が伸び放題になっている古い屋敷に住むことになった売れない物書き。
 庭の百日紅に惚れられ、
 掛け軸のサギが時折抜け出して池の魚を狙い、
 それにいたずらしようと、水草にまぎれてカッパが潜み・・・

 あぁ、好きな世界。
とってもとっても。

 私の暮らすこの家も、異界のものが紛れ込んだり、植物と恋人のように日々を寄り添ったり、
そんなおうちにならないかな。なんて。

「異世界が何の違和感なく紛れ込む」とか、「身の回りの人間以外の何かと秘密の交流をしながらひっそり暮らす」という世界にゾクゾクするほど魅せられてしまいます。





 近所のカフェで「家守綺譚」の摩訶不思議な世界に浸っての帰り道。

 きじはさんの歌など口ずさみながらフラリフラリ。

 ふと強く強く香る歩道の植え込み。

     夜


  植物は夜になると香を強くするのかな。
  歩道の花
  ビルの間の星空
  ジクソーパズルの抜け落ちた中から覗くみたいだな、街の生きてる部分は。


 そんなことを思いながら座り込んで花の写真などとっていると

     111004_2207~01


「花、好きなんですか」

と、だしぬけに話しかけられてギョッとする。
振り返るとサラリーマンらしき人が立っていました。

「ちょっと聞いてもいいですか」   「はぁ」

「僕、この前電車に乗っていたら、女の人がいきなりバラの花をくれたんです。
 ビックリしていたら、「私、花泥棒なんで」っていうんですよね。これってどう意味ですかね、ずっと気になっちゃって」    

「さぁ…、花泥棒は風流だから許される。なんていうのは聞きますけど、それでも…分からないですね。」

「何かの暗号かなぁ」  

 と。

 そのまま何かと話しながらついてくる。
なんだろう、どう出てくるのかと身を固くしていましたが、明るい大通りなので様子を見つつ…。
なぜだか仕事の悩みなど訥々と語り始めて一駅分。
別れ際は「楽しかったです。」とさわやかに別れて行ってくれたのでホ~っと一息。

 不思議な人だった。で終わることができました。


 その直後。

 脱力しながらふと前を見ると、
こんな街中で、明らかにお風呂上がりの感じで、ヨレヨレの半そでシャツに腰に大きなバスタオルを巻いたスタイルのおっちゃんが気持ちよさそうに歩いている。

 なんなんだ…。と私が凝視したせいか、こちらを何度も見てくるのでまたも緊張。

 ふ~。

 なんて夜だ。

 異界との扉が開いたか。




 無事に帰りついて心からホッ。



 温かいチャイでも入れて飲もうかな。



 
 


 

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