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2011/01/27 (Thu) 山崎豊子「二つの祖国」

 久しぶりに読み応えのあるものを読みました。
 なんだか養生園にいるころは、不思議なくらいさっぱり読書する気にならなかったのですが、茅野に着てからはぽちぽち本が読めるようになって来ました。

 そしてずっと前からお友達に借りていながら、そんな訳でなかなか手をつけられなかった山崎豊子「二つの祖国」にふらりと手を出してみました。

     middle_1237823201.jpg


 そしたらもう、気になって気になって、早く帰って本の世界に入りたくて、いそいそと仕事を終わらせて部屋に閉じこもる日々。(いつだってはまり方が極端なのです…)。

 寝不足になりながらここ数日はラストスパート。
昨夜遅くに読み終わりました。

 今日。
興奮冷めやらず。というかショックでショックで。なんだか自暴自棄な気持ちにすらなっておりました
こんなことって・・・そしてこれがほぼ実話だなんて・・・。

 この大長編は、簡単に説明することなんてできないけれど、
アメリカで生まれ育った日系人たちが太平洋戦争の渦の中に巻き込まれ、アメリカと日本、二つの祖国の中でさまざまに悩み、苦しみ、自分の果たすべき道を模索していく、といったところでしょうか。

 戦争の状況に伴い流転の人生を重ねていく主人公たちですが、クライマックスの長い長い部分を占めるのが、東条英機氏ら戦犯たちの裁かれる東京裁判。
 山崎さんの緻密なリサーチにより再現されたその様子は、もう本当になんと言うか、20人強の戦犯たちのそれぞれの信念や心情や心のゆれがこれでもかと胸に迫ってきて、日系人たちそれぞれの想いですら受け止めるのが大変なのに、さらにたくさんの人たちの。
 もう何というか(こればっかで感想になってないですが)、何というかなのです。

 戦争は、誰もが必死だったんだ。
いやおうなく暴力や、死や別れやそういうものに巻き込まれていく一般人はもちろん。
戦犯と呼ばれる日本の中枢にいた人たちも、みんな必死で事態を少しでもいい方向に進められるように、必死で頭を搾り出し、動ける限り動き、そのぎりぎりの応酬。
そして誰もが、とてつもない悲しみや惨めな状況の中で、他人への愛情や自分の誇りをもって生きていきたいという戦い。とそんな精神状態が傷つけられ緩んだときに、あらゆる人の中で顔を出す信じられない残虐性。を思うと・・・

 ため息ついて天を見上げずにはいられません。

 あらゆる不条理や怒りや悲しみや憤りが、アメリカという圧倒的なものの前ではまったく報われることはなく、
日本人すべてがこれを共有して慰めあうにはあまりにも傷が深すぎて。
目の前にいる弱い存在(日系人など)にさらりと小さく向けられる敵意は完全にはけ口なのだけれど、大きなアイデンティティが奪い去られ、小さな優しさでかろうじて存在を保っていられる彼らにとっては、それは10倍にも100倍にも匹敵する攻撃なのだろうなあ。

 最近も書いてたみたいに、私、死にいくものへの悲しい気持ちがわからなくなってしまっていたけれど、今回小説を読んで、自分にとってたった一つの希望であり支えである人というのがどういうものか、そしてその人を失う悲しみというのが深く深く胸に入ってきて、いっぱい泣いた。
 
 誰かにとって誰かが亡くなるということは、時にその人の人生のすべての灯りを消してしまうようなことなのだ。そういう気持ちで明日から、また病院に向かいます。





 
 

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愛しています。

2011/01/28 11:32 | [ 編集 ]


? 

先のコメント、本を貸してくれたAさんかしら。初めてゆっくり話したとき、村上春樹と三浦綾子にはまった過去があり、三浦綾子は立派すぎて読めない時期があったというのですっかり意気投合して以来、私のアンテナはあなたのアンテナ。あなたの本棚CD棚を制覇していけばいいんだなって気になってます。今回もやっぱりズバリでした。ありがとう。パリ部骨太同盟。出会えたことにホントに感謝デス。違うかただったらゴメンナサイ。

2011/01/30 11:53 | アン [ 編集 ]


No title 

スミマセン、今気づきました・・・残念ながら、先のコメントはワタクシではないのです。
でも、うれしいなあ。「二つの祖国」にこんな共感してくれて。(NHKの大河ドラマで、小学生のころに観たのが、出会いなの。NHKセンス良すぎ~って思ったよ。)
国って、祖国って。なんでしょうね。やっぱり、私はフツーにOne Peaceful World(久司道夫先生の言葉だが)を、心から願う。本気で願う。

2011/02/11 10:09 | Okochi Atsuko [ 編集 ]


違ったか 

コメントAtsuko氏ではなかったのね。
なんにしてもありがとう。これからも私のメンターとして、どうぞよろしく。
また時間気にせずバーバーしゃべり倒そうね。

2011/02/15 21:57 | アンネリダ ガーネット [ 編集 ]


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